営業戦略・マーケティング

フォーム営業のクレーム対応|来た日の手順と返信文面4パターン

スマートカイタク編集部

電話が鳴って、出た瞬間から相手が怒っている。あるいは、届いた封筒を開けたら、自社宛ての請求書が入っている。フォーム営業のクレームは、たいてい心の準備がないところに来ます。いま何を言えばいいのか、返信はどう書くのか、この請求は払うものなのか。通話中にやることは、一言お詫びする、名乗る、止めると約束する、言われたことをメモするの4つだけで、支払うかどうかはその場では答えません。ここでは、もう来てしまった人に向けて、電話、返信の文面、請求書、除外、送信前の基準の順に片づけていきます。

この記事の結論

  • 電話が鳴ったら、一言お詫びして社名と自分の名前を名乗り、その場で送信を止めると約束し、言われたことをメモします。返信は電話を切ってからです
  • 返す文面は、①「不要です」と返信が来た②電話でクレームを受けた③強い言葉が付いている④請求書が届いた、の4場面に分かれます。そのまま送れる全文を4本置きました
  • 請求書が届いても、その場で払うとは答えません。まず確かめるのは、送信のときに同意のクリックを求められていたかどうかです。ここで請求の当否が決まるわけではありません
  • 処理の最後は、除外リストへの1行です。会社名ではなくドメインで残さないと、次も同じ窓口を踏みます
  • 次を鳴らさない基準は3つあります。断りが書かれた場所、使われている語、窓口の種類です

電話が鳴っている今、口に出す言葉と、切ったあとの10分

通話中にやることは4つだけです。まず一言お詫びし、正式な社名と自分の名前を名乗り、送信を止めると約束し、相手が言ったことをその場でメモします。この4つ以外はやりません。メモを台帳の形に整えるのは、電話を切ってからです。

言われることは6つに分かれる

相手の第一声は、多くの場合、次の6つのどれかに近い形になります。左が相手の言葉、右がそのまま口に出す言葉です。

相手の言葉 そのまま口に出す言葉
「営業お断りと書いてあるのが読めないのか」「確認が漏れておりました。申し訳ございません。御社の窓口は、本日中に送信先から外します」
「何通も来ている」「業務の邪魔だ」「重ねてお送りしてしまい、失礼いたしました。届いた日付だけ教えていただけますか。こちらの記録と突き合わせて、すべて止めます」
「二度と送るな」「承知しました。本日中に送信先から削除いたします。終わりましたら、メールでご報告いたします」
「請求する」「損害賠償を払え」「お送りした事実は確認いたします。お支払いについては、この電話ではお答えできません。書面かメールでお送りいただけますでしょうか」
「法律違反だろう」「ご指摘は持ち帰って確認いたします。まず、お送りするのを止めることを先に行います」
「誰の指示だ」「委託先がやったのか」「お送りしたのは当社の判断によるものです。責任は当社にあります。私は(部署・氏名)で、連絡先は(電話番号)です」

このうち、営業お断りの表記、重ねて届くこと、請求や損害賠償の3つは、公開されている文章に実物があります。フォームの入力欄の上に「営業・勧誘を目的としたお問い合わせはお断りしております。」と書く方法は、受け手向けの解説記事が文例として挙げているものです。「1日に3・4通も送られると流石に業務の邪魔でして」は、受け取る側が法律相談に書いた原文です。

残りの3つは、そこから想定される言われ方で、原文があるわけではありません。言われ方が違っても、返す言葉は変わりません。

「そのリストはどこで手に入れたんだ」と聞かれることもあります。答えるのは、公開されている問い合わせフォームから送ったという事実までで足ります。リストの入手先や、名簿を扱った取引先の名前を電話口で説明しないでください。

払うかどうかも、法律に触れるかどうかも、通話の途中では決まりません。公開されている法律相談では、受け手からの質問に対し、ある弁護士から「メールですと特定電子メール法に違反する可能性があるように思えますが、問い合わせフォームの場合は、同法には該当しない可能性があると思います」という回答が出ています。

同法が定義に使う通信方式はSMTPと携帯端末の電話番号によるものの2つで、フォームからの送信を対象に含めた公表資料も、対象外だと明言した公表資料も見当たりません。個別の相談への一人の回答であり、扱いは一つにまとまっていません。まとまっていない話を、鳴っている電話の前で決めないでください。

保留にして調べないでください。保留の間にできるのは、近くの席の人に一声かけることくらいです。記録を開いて突き合わせたり、社内で方針を相談したりする時間は取れません。調べた結果を伝えるのは、折り返しか、電話を切ったあとの返信メールでやります。

電話を切ってからの10分

切ったら、順番を変えずに3つ片づけます。

  1. 送信を止める。使っている送信の仕組みなり、外注先への連絡なりを、この時点で止めます。「あとで除外する」では次の配信に間に合いません
  2. 相手の言葉を書き写す。社名、名乗った担当者名、言われた内容、送ったとされる日時、フォームのURLを、要約せずに相手の表現のまま残します
  3. 誰が送ったのかを確かめる。自社が送ったのか、外注先が送ったのか、いつの配信分かを、この10分のうちに突き止めます

3つ目を飛ばさないでください。クラウドソーシングの相談室には、自分で用意したリストの送信を外部に依頼していた利用者から、営業禁止の窓口へ送ってしまい支払いを求める通知が届いた、という投稿があります。別の法律相談でも、送信したのは業務委託先のワーカーで、請求書は依頼した会社に届いていました。手を動かしたのが誰かにかかわらず、連絡は依頼した側に来ると考えて動くほうが安全です。

一次対応を担当者ひとりに背負わせない

クレームの電話を、同じ担当者に受け続けさせないでください。2026年10月1日から、顧客等の言動から働く人を守る体制づくりが事業主の義務になります。改正後の労働施策総合推進法第33条第1項が、相談に応じて適切に対応するために必要な体制の整備を求めているからです。

厚生労働省のリーフレットは、対象に電話やインターネット上の言動も含まれるとしたうえで、あらかじめ定めておく対処として「可能な限り労働者を一人で対応させない」ことを挙げています。ただし対象になるのは、社会通念上許容される範囲を超えた言動です。正当な苦情はこれに当たりません。

今日のうちに決めるのは、二次対応に誰が出るかと、どこまで言われたら上長に代わるかの2点で足ります。

フォーム営業の謝罪メール|そのまま送れる返信文面4パターン

どれも、コピーして社名と担当者名を差し替えれば送れる形にしてあります。

4本に共通して入れるのは3つです。正式名称での名乗り、止めたという事実、以後送らないという約束。名乗りを正式名称にするのは、総務省・消費者庁のガイドラインが、電子メールについて「送信者の正式な氏名又は名称でなければならない」とし、サービス名や屋号、ブランド名の表示では名乗ったことにならないとしているからです。「◯◯運営事務局」の名前で返すと、相手は誰から来たのか分からないままになります。

止めたと伝えるのも、同じところから来ています。特定電子メール法第3条第3項は、送信をしないよう求める通知を受けたとき、その通知に示された意思に反して送信してはならないと定めているからです。

ただし、特定電子メール法が対象にしているのは、法第2条第1号と平成21年総務省令第85号が定義に使う通信方式の2つ、つまりSMTPを用いるものと、携帯端末に電話番号を用いてメッセージを伝えるものです。フォームからの送信を対象に含めた公表資料は見当たらず、対象外だと明言した資料も見当たりません。ここで借りているのは電子メールについて求められている形であって、フォームからの送信やこのお詫び返信そのものに課された義務ではない、という位置づけで読んでください。

① フォーム営業に「不要です」とだけ返信が来たときの謝罪メール

短く返します。長い弁明や、あらためての自己紹介を足すと、読ませること自体が二度目の迷惑になるからです。

件名:お問い合わせフォームへの送信につきまして(お詫び)

◯◯株式会社 ご担当者様

株式会社△△の(部署・氏名)と申します。このたびは、貴社お問い合わせフォームへ営業のご案内をお送りし、失礼いたしました。

ご連絡をいただいた時点で、貴社を送信先の一覧から削除いたしました。今後、当社からお送りすることはございません。

ご迷惑をおかけしましたことを、あらためてお詫び申し上げます。

株式会社△△(部署・氏名) 電話:(番号)/メール:(アドレス)

② クレームの電話を受けたあとに送る、送信停止の報告メール

①に、通話で聞き取った事実の確認と、除外が終わった報告を足します。相手がこのあと請求や再度の連絡を考えている場合、この1通が事実関係の記録として残るからです。

件名:お電話をいただいた件(送信停止のご報告)

◯◯株式会社 (担当者名)様

本日はお電話にてご指摘をいただき、ありがとうございました。株式会社△△の(部署・氏名)でございます。

お電話でうかがった内容を下記のとおり確認いたしました。相違がありましたら、ご指摘いただけますと幸いです。

・送信の日時:◯月◯日 ◯時ごろ ・送信元:株式会社△△(送信を他社に委託していた場合は、その社名も記載します) ・送信先:貴社お問い合わせフォーム(URL) ・ご指摘の内容:(言われたことを、言われたとおりに書きます)

貴社を送信先の一覧から削除し、当社および当社が委託する事業者のいずれからもお送りしない状態にいたしました。処理は本日◯時に完了しております。

このたびはご迷惑をおかけし、誠に申し訳ございませんでした。

株式会社△△(部署・氏名) 電話:(番号)/メール:(アドレス)

聞き取った内容を書いて返すと、日時や回数の食い違いがこの時点で表に出ます。あとから金額の話になったとき、突き合わせる材料はこの1通しかありません。

③ 「二度と送るな」に強い言葉が付いていたときの返信

反論しないでください。「他社にも共有する」と書かれていても、それをやめてほしいとは頼まないことです。頼んだ瞬間に、話題が送信の件からその依頼へ移ります。

件名:送信停止のご報告

◯◯株式会社 ご担当者様

株式会社△△の(部署・氏名)でございます。貴社お問い合わせフォームへ営業のご案内をお送りしましたこと、深くお詫び申し上げます。

本日◯時をもって、貴社を送信先の一覧から削除いたしました。あわせて、当社が保有する送信先のデータから貴社のドメインを除外し、同じドメインの窓口へは送信しない設定にしております。

ご指摘の点につきまして、こちらから申し上げることはございません。重ねてお詫び申し上げます。

株式会社△△(部署・氏名) 電話:(番号)/メール:(アドレス)

この場面で相手が確かめたいのは、止まったかどうかの一点だけです。この文面に、経緯やチェック体制の説明は足しません。

④ 請求書や「◯万円払え」という通知が届いたときの返信

請求書は、ありうる話ではなく実際に届いています。公開されている法律相談には、営業用途がNGである旨と、営業した企業に10万円を請求する旨がフォームに書かれていて、送ってしまったあと、後日その企業から請求書が郵送されてきたという相談が残っています。

この相談への弁護士の回答は、記載があった以上、支払義務は発生していると考える、というものでした。これは、その一件のフォームにその記載があったことを前提にした個別の回答です。フォーム営業をすれば10万円を払うことになる、という一般の結論ではありません。

件名:貴社よりお送りいただいた書面につきまして

◯◯株式会社 ご担当者様

株式会社△△の(部署・氏名)と申します。◯月◯日付でお送りいただきました書面を、本日拝受いたしました。

はじめに、貴社お問い合わせフォームへ営業のご案内をお送りしましたことをお詫び申し上げます。貴社は送信先の一覧から削除済みで、今後お送りすることはございません。

書面に記載のお支払いにつきましては、社内で事実関係を確認のうえ、あらためてご回答申し上げます。当社で確認しておりますのは、次の3点です。

・当社からお送りした回数と、その日時 ・送信時の入力画面における、営業目的での利用を断る記載および同意確認の有無と、その表示のされ方 ・貴社がお示しの金額の根拠となる記載の内容

◯月◯日までにご連絡いたします。それまでの間、貴社への送信は停止しております。

株式会社△△(部署・氏名) 電話:(番号)/メール:(アドレス)

期限を自分から切るのが、この文面の要点です。相手が短い期限を切ってくることがあるからです。クラウドソーシングの相談室には、営業禁止の窓口へ送ってしまった利用者から、24時間以内に損害賠償を払うようにという通知が届いたという投稿が出ています。

◯月◯日に入れるのは、社内で送信の記録と当時の画面を確認し終えて、回答を返せる日です。確かめないまま払うか、無視して放置するかの二択を避けるために、自分で日付を示し、示した日には必ず連絡します。

返信の手段は、書面に書かれている連絡先に合わせます。メールアドレスや電話番号が書かれていればそこへ、郵送先しか書かれていなければ同じように郵送で返します。郵送するときは、件名の行をそのまま文書の表題として使ってください。

相手の問い合わせフォームからは返しません。営業を断っている窓口に、もう一度送ることになるからです。

フォーム営業で請求された|その請求は払うのか

営業お断りのフォームに送ってしまった、と気づいたときには、もうその会社から書面が届いている。最初に見るのは金額ではありません。

分かれ目は、送信のときに同意のクリックを求められていたかどうかです。経済産業省『電子商取引及び情報財取引等に関する準則』(令和4年4月1日版)が、サイト利用規約が契約に組み入れられると認められる場合として、利用に際して規約への同意クリックが要求されており、かつ利用者がいつでも容易に規約を閲覧できるようにサイトが構築されている場合を挙げているからです。逆に、組み入れられないであろう場合として挙げられているのは、サイト中の目立たない場所に規約が掲載されているだけで、同意クリックも要求されていない場合です。なお、この準則はフォーム営業を論じた資料ではなく、サイト利用規約一般の考え方を示したものです。

自分の事案がどちらに近いかは、送信時の画面で分かれます。

送信のときの画面 準則の並びでいうと
「営業目的ではないことに同意します」型のチェックがあり、入れないと送信できなかった組み入れられると認められる場合として挙げられた形に近い
入力欄の上に注意書きがあり、読める位置に置かれていたどちらとも言えない。文言と表示のされ方を保存する
ページの隅やプライバシーポリシーの中にあっただけで、同意の確認はなかった組み入れられないであろう場合として挙げられた形に近い

この表で請求の当否が決まるわけではありません。準則が示しているのは、規約がその取引の条件になるかどうかの一般的な考え方で、個別の請求が通るかどうかとは別に置かれているからです。10万円を請求された相談への回答も、そのフォームに記載があったという前提に立った個別のものでした。注意書きがあっただけの型に当てはまったからといって、払わなくてよいという答えにはなりません。

ここで分かるのは、自分の事案がどちらに近いかと、何を確かめれば話が前に進むかまでです。支払うかどうかの判断が要る段階に入ったら、そろえた材料を持って弁護士に確認してください。

書面に「損害賠償」とある場合、根拠として想定されているのは民法第709条です。同条は、故意または過失によって他人の権利または法律上保護される利益を侵害した者が、これによって生じた損害を賠償する責任を負うと定めています。成立には、侵害と損害の主張・立証が要ります。

この記事を書くにあたり、裁判所の裁判例検索の判決全文検索で「問い合わせフォーム」「営業メール」「特定電子メール法」などの語を、単独および「業務妨害」との組み合わせで調べたところ、フォームからの営業送信を扱った裁判例は見つけられませんでした。検索語に使った特定電子メール法が対象にしているのは電子メールで、フォームからの送信を対象に含めた公表資料は見当たりません。ただし、裁判例を見つけられなかったというだけのことで、争いが起きていないという意味でも、訴えられない根拠でもありません。

その日のうちにそろえる5点

請求書や損害賠償の通知が届いたら、その日のうちに次の5点をそろえます。相手に「確認のうえ回答する」と伝えた中身が、この5点です。送信を委託していた場合は、外注先とのやりとりも同じ日に取り寄せてください。

何を どうやって 何のために
送信の記録送信ツールのログ、外注先とのやりとり送った回数と日時を確定させる
送信のときの画面同じフォームをもう一度開き、入力欄の上と送信ボタンの周りを、ページ全体のスクリーンショットで保存する同意の確認があったかどうか
断り書きの文言表示されている文を、そのまま書き写すどんな語で断られていたか
届いた書面封筒と消印もあわせて保存する期限がいつから数えられているか
社内のやりとり誰がいつ送信先に入れたかの記録経緯を説明できる状態にする

フォームを開き直すときは、送信ボタンを押さないでください。表示は後から変わることもあるので、その日のうちに画面ごと残します。

その1社を二度と踏まないための除外の作り方

処理の最後は、除外リストへの1行です。

キーにするのは会社名ではなくドメインです。同じ社名の会社が他にもいるからです。スマートカイタクがフォームURLを取得できた企業を母数に集計すると(2026年8月時点)、15.0%、およそ7社に1社は同じ社名の法人が他にも存在していました。社名で突き合わせると、無関係の会社まで止めるか、止めたい会社を取り逃がすかのどちらかになります。

社名が効かない理由はもう一つあります。同じ集計で、他社と同じフォームURLを共有している企業のうち92.5%は、共有相手の社名が違っていました。グループ会社や共同運営の窓口が、別々の名前で並んでいる状態です。社名で潰しても、同じ窓口へもう一度届きます。

では何で拾えるのか。2026年8月26日時点の再集計(スマートカイタクがフォームURLを取得できた企業が母数)では、他社と同じ窓口として拾える企業の割合は、フォームURLの完全一致で7.0%、ドメインで9.7%でした。同じドメインなのにフォームURLが違うために、URLの一致だけでは3.4%を取りこぼします。

この9.7%は除外の網羅率ではありません。他社と窓口を共有している企業を、ドメインをキーにすれば拾えるという割合です。

ドメインは、頭に「www.」が付いていれば落とした形で書きます。ただし、送ってしまった窓口が外部のフォームサービスのURLだったときは、そのドメインを外さないでください。同じサービスを使っている会社が丸ごと消えます。

その場合は、相手の会社サイトのドメインを1列目に入れ、フォームサービスのURLは窓口の列にそのまま残します。まだ除外リストが無いなら、今日は表計算ソフトのシート1枚で足ります。残す列は6つです。

何を入れるか どこで埋まるか
ドメイン相手の会社サイトのドメイン突き合わせのキーになる列
窓口URL送ってしまったフォームのURLクレームを受けたときに書き写したもの
受けた日電話や書面を受けた日クレームを受けたときに書き写したもの
言われた言葉相手の表現のままクレームを受けたときに書き写したもの
恒久か期間か恒久/◯月まで相手に送信停止を報告した内容と合わせる
追記者登録した人の名前あとで経緯を聞ける相手が分かる

フォーム営業の送信停止依頼を受けた会社は、恒久の側で登録します。期間つきで登録すると、期限が切れた次の配信で同じ窓口に戻るからです。止めてほしいと言われた相手に送らない状態は、一度きりの処理ではなく、担当者が代わっても効き続ける形で残します。

クレームが来ていない相手にも、線を1本引いておきましょう。スマートカイタクは、一度送信した企業には1ヶ月間は再送信しない運用にしています。自分で送るなら、送信済みの一覧をドメインで持ち、直近1ヶ月に送った先を毎回外すところから写せます。同じ一覧で重複も潰せるので、名寄せは社名ではなく窓口のURL単位でかけてください。

送る前に外す基準は3つです。断りが置かれるのは入力欄のすぐ上と送信ボタンの手前、探すのは〈営業/セールス/勧誘〉と〈お断り/禁止/お控え〉が同じ一文に並ぶ形、そして顧客サポートや採用の窓口は用途が違うので開く前に外します。この3つは送信の手順にそのまま組み込めます。

自分で送り続けるか、任せるか

ここまでの手順を自分で回せるなら、外に出す必要はありません。回せるかどうかは、次の3つで決まります。

  • クレームの電話に出られる人が、担当者のほかにもう一人いる
  • 除外リストをドメインで持ち、送信のたびに突き合わせる手順が決まっている
  • 送信前に、断りの記載と窓口の種類を1件ずつ見る時間がある

3つとも満たせるなら、自作で足ります。

スマートカイタクが送信を試みた件数のうち20.3%、およそ5件に1件のフォームに画像認証が置かれていました(2026年8月時点の自社実績)。この20.3%は送信を試みた件数に対する割合で、企業の社数ではありません。300社ぶんを手で送るなら、5件に1件は人が画像を読んで入力する手間が挟まる計算になります。

スマートカイタクの商談設定率は0.1〜0.2%、1,000社に1〜2件で、これは商談の日程が確定した時点を1件として算出した2026年の自社実績です。300社へ送った段階では、商談は1件に届きません。手を止めずに件数を積めるかどうかが、自作の分かれ目になります。

スマートカイタクは問い合わせフォーム営業の代行で、「営業お断り」の記載があるフォームは検知して送信対象から外し、一度送信した企業には1ヶ月間は再送信しません。既存の取引先や競合など、送信を避けたい会社は事前に登録して外せます。

配信の設定は担当者が行い、送信だけをシステムが実行します。完全自動のツールではなく、成果保証もしていません。リストの作成だけを外に出す道もありますが、その場合は納品されたリストの検収が自社に残ります。

問い合わせのときに手元にあると話が早いのは、対象顧客・業種・従業員数・設立年・地域の5つの条件と、送信を避けたい会社の一覧です。地域は市区町村まで指定できます。リストの作成費用と条件の指定は全プラン無料で、プランごとの金額は料金ページに掲載しています。

よくある質問

クレームはどれくらいの割合で来ますか

フォーム営業でクレームが来る率を測った第三者の統計は、この記事の調査では見つかりませんでした。したがって、この記事では割合を示しません。

統計が無いことは、来ないという意味でも、多いという意味でもありません。備えは見込みの数字ではなく、来たときに何をするかで用意します。電話の一次対応を誰が受けるかと、除外リストをどこに置くかの2つを先に決めておきましょう。

何通も送ってしまいました。業務妨害で警察沙汰になりますか

止めてほしいと言われた時点で止めれば、そこから先へ進む話にはなりにくく、言われたあとに送り続けた場合が問題になります。受け手からの相談に対して弁護士は、まず送らないよう依頼し、それでも何度も連絡が続くようであれば業務妨害の可能性があるとして警察への相談も考えられる、と回答しています。

刑法第233条が対象にしているのは、虚偽の風説を流布し、または偽計を用いて信用を毀損し、あるいは業務を妨害した場合で、第234条は威力を用いた場合です。問われるのは送ったという事実ではなく、その態様です。裁判例を探した範囲では該当するものを見つけられませんでしたが、それは起きないという意味ではありません。

既存の取引先に間違えて送ってしまいました

返信文面②をそのまま使い、書き出しの1文だけ差し替えます。「このたびは、貴社お問い合わせフォームへ営業のご案内をお送りし、失礼いたしました」を、「お取引をいただいております貴社へ、新規のお客様向けのご案内をお送りしてしまいました」に変えてください。

そのうえで除外リストに恒久として登録し、担当の営業にも共有します。

クレームが来ましたが、これは違法な行為だったのでしょうか

違法だと決まっているわけではありません。フォームからの送信を正面から扱った法令は、この記事の調査では見当たりませんでした。受け手からの相談に対しても、弁護士から「問い合わせフォームの場合は、同法には該当しない可能性がある」という回答が出ています。

ただし、違法でなければ何を送ってもよい、という話にはなりません。断られている窓口に送れば、電話も書面も来ます。名前が挙がる法律は3つあり、どれも禁止と許可でひと言に収まらない代わりに、条文の側に決まった手順が書かれています。

一度クレームが来た会社には、もう二度と送れませんか

送りません。期間を置けば再開してよい、とは考えないでください。

期間つきで登録すると、期限が切れた次の配信で同じ窓口に戻ります。除外は一度きりの処理ではなく、担当者が代わっても効き続ける状態にしておくものです。

送信を外注していました。対応するのは委託先ですか

連絡は依頼した側に来ます。実際、公開されている法律相談では、送信したのは業務委託先のワーカーで、請求書は依頼した会社に郵送されていました。相手への返信は、返信文面②に委託先の社名を明記したうえで、自社から出してください。

委託先には、その日のうちに2つを求めます。当該の送信を止めることと、送信日時・送信先・使った文面の記録を出すことです。記録が出てこないと、相手に伝える日時が確定せず、あとで訂正することになります。

請求に応じないと決めたら、そのあとどうなりますか

見通しはこの記事では示せません。支払うかどうかは、送信のときに同意のクリックがあったか、書面に何が書かれているかで変わり、事実関係を見た弁護士でなければ判断できないからです。

参考になるのは、10万円を請求された相談への回答です。弁護士は、記載があった以上は支払義務が発生していると考えるとしたうえで、支払いを拒んだ場合に相手が回収のために訴訟などをしてくるかは微妙だ、とも述べています。これは一件の相談への回答で、どの請求にも当てはまる見通しではありません。放置して連絡を絶つのではなく、期限を切って回答し、判断が要る段階で弁護士に持ち込む形にしてください。

謝罪は電話とメールのどちらが先ですか

電話が先で、フォーム営業の謝罪メールは切ったあとに出します。通話中に約束するのは送信を止めることまでで、経緯や支払いへの回答はメールに回します。

通話中は記録を開いて突き合わせられないからです。

まとめ

クレームが来た日にやることは、順番が決まっています。電話ではお詫びして名乗り、止めると約束し、言われたことをメモする。切ってから返信の文面を出し、書面が届いていれば同意のクリックがあったかを確かめる。最後に、除外リストへ1行、ドメインで残します。

そのうえで、次の1件を鳴らさない側に手を入れましょう。送信前に見るのは、断りが書かれている場所、使われている語、窓口の種類の3つです。この3か所を1件ずつ見る時間が取れるかどうかが、自分で送り続けるか任せるかの判断につながります。

今日のうちに終わらせるのは、除外リストへの1行までです。文面はこの記事からコピーして、社名を差し替えれば出せます。