テレアポ・電話営業

フォーム営業とテレアポを比較|狙う業種と時間単価で割り振りを決める

スマートカイタク編集部

新規開拓の時間と予算を、フォーム営業とテレアポのどちらに多く振るか。決めようとして検索すると、テレアポのほうが効率がいいと書いた記事と、フォーム営業のほうが効率がいいと書いた記事が、同じ画面に並びます。

どちらの率にも母数が書かれていないので、読み比べても順番は決まりません。

ここでは、狙う業種に電話しか窓口が無い企業が何割いるかと、架電に出せる人の1時間がいくらかの2つから、どちらを先に回すかを決めます。

この記事の結論

  • フォーム営業とテレアポは同じ基準では比べられません。母数と定義を公開した実測値があるのはテレアポ側だけで、フォーム側に公表値が無いのは効果の問題ではありません。
  • 割り振りは手法の優劣ではなく狙う業種で決まります。電話しか窓口が無い企業の割合は、2026年10月時点のスマートカイタクの調査(約59万社)で業種により6倍以上開きました。
  • 「大企業はフォーム、小規模はテレアポ」は成り立ちません。2026年10月時点の同じ調査では、電話しか窓口が無いのは6名以上でおよそ7社に1社、最少は1〜5名でした。
  • テレアポの1時間は、誰にかけさせるかで変わります。公的統計の行から出すと電話応接事務員で約1,700円、営業職で約2,200円です(10〜99人・男)。
  • 電話勧誘の明示義務と再勧誘禁止は特定商取引法にあります。適用除外は法人かどうかではなく契約の目的・内容で決まり、個人事業主が混ざると当たりえます。

フォーム営業とテレアポの比較:母数と定義のある実測値はテレアポ側にしかない

フォーム営業とテレアポの違いとして最初に確かめるのは、2つを同じ条件で並べられるのかどうかです。並べられる材料がそろっているのは、テレアポの側だけでした。

出どころは、株式会社aworthzの『BtoBテレアポ実態調査2026』です。2025年10月から2026年8月に実施した270商材のうち、商材カテゴリーを分類できた193,026コール・21カテゴリーを集計したものです。

aworthzが公開している全体の値は3つあります。193,026コールで、アポ率3.78%、担当接触率37.14%、接触後アポ率10.19%。

分母と分子も、計算式ごと出ています。アポ率はアポイント数÷コール数、担当接触率は担当接触数÷コール数、接触後アポ率はアポイント数÷担当接触数という形です。

数えている対象も定義されています。「アポイント」は商談実施を目的として案件ごとに事前設定した取得条件に則って獲得したもので、「担当接触」は提案商材を管轄する担当者として事前設定した定義に該当する相手へ接触できた状態を指します。

この調査はアンケートではありません。aworthzが実際に行ったBtoB新規開拓支援の運用データを集計・分析したものだと明記されています。

ただし、この3.78%を業界平均として使うことはできません。aworthz自身が「本調査の3.78%は、BtoBテレアポの業界平均ではありません。」と断っています。

使い方は1つだけです。自分のコール数とアポ数を同じ式で出して、1社の運用データであるこの値と並べてみてください。

カテゴリー間の差にも、同じ注意が付いています。「商材カテゴリー間の数値差について、カテゴリーそのものが原因であることを証明するものではありません。」とあり、差の理由は自分の商材で確かめることになります。

270商材と193,026コールは、集計単位が違う点も明記されています。片方で割ったり掛けたりはできません。

一方のフォーム営業には、2026年10月時点で確認した範囲に、これと同じ条件の公表値がありません。母数と分母・分子と定義をそろえて出した反応率が、公表資料として見つからないという意味です。

これは「フォーム営業は効果が無い」という話ではありません。公表している人がいないという事実であって、効果の有無とは別です。

この記事で扱う範囲を、2つ並べると次のようになります。

比べる項目 フォーム営業 テレアポ
母数と定義のある公表値同じ条件のものは見つからないあり(193,026コール・計算式と定義つき)
届く窓口フォームを持つのはおよそ6割電話しか窓口が無いのは業種で5.9%〜38.4%
規模での動き方6区分の幅は3.8ポイント電話のみは6名以上で14.5〜15.4%とほぼ一定
特商法の明示義務・再勧誘禁止規定は置かれていない契約の目的と内容により当たりうる
営業お断りの当たり方断りの文面は営業そのものに向く同じ(28社中8社は電話を断る文面)

公表されている反応率を自社の基準にできるかどうかは、母数と分子の見分け方に当てて確かめてください。

テレアポのアポ率は3つに分けて読む:担当者に届くかと、届いてから決まるかは別に動く

3つの率は別々に動きます。自分の商材に近いカテゴリーの行を引くと、担当者に届いていないのか、届いてから決まっていないのかが分かれます。

この表は「自分が売る商材」のカテゴリーで、売り先の業種の表ではありません。テレアポに時間を割くと決めたあとに、どこを直すかを探すために使います。

全体では、担当者に接触できたのは全コールの37.14%でした。10本かけて約4本で、残りの約6本は担当者にそもそも届いていません。

形がはっきり違う行が2つあります。工事は担当接触率24.81%に対して接触後アポ率15.43%で、21カテゴリー中の最高でした。

逆の形がHR・外国人です。担当接触率44.26%に対して接触後アポ率6.71%で、担当者には届くのに話し始めてからアポにならない行になっています。

商材カテゴリー(aworthz『BtoBテレアポ実態調査2026』) コール数 担当接触率 接触後アポ率 アポ率
全体193,02637.14%10.19%3.78%
Web/SNSプロモーション12,72147.83%11.57%5.53%
HR・外国人15,96544.26%6.71%2.97%
SaaS17,75229.73%11.12%3.31%
HR・人事その他2,13430.18%6.06%1.83%
工事10,60924.81%15.43%3.83%
塗装8,44816.16%14.43%2.33%

読み方は2つに分かれます。1社の運用データである全体の担当接触率37.14%より自分の数字が低いなら、時間を使うのは受付の突破です。

同じく全体の接触後アポ率10.19%より低いなら、直す場所は話し始めてからの内容になります。塗装は担当接触率16.16%で21カテゴリー中の最低ですが、接触後アポ率14.43%は2位でした。

アポ率の首位はWeb/SNSプロモーションの5.53%で、HR・研修5.47%、システム(AI含む)4.97%が続きます。ただし行ごとにコール数は違い、HR・人事その他は2,134コールと小さいので、母数も一緒に見てください。

カテゴリー間の差は、カテゴリーそのものが原因だと証明されたものではありません。自分の商材に近い行は、当て先として見るだけにします。

自分の記録を持っていないなら、次に架電する分から、この調査と同じ3つを数えてください。コール数、担当者に接触できた数、アポになった数です。

3つあれば、担当接触率(担当接触数÷コール数)と接触後アポ率(アポイント数÷担当接触数)を同じ式で出せます。

フォーム営業とテレアポの割り振りは、狙う業種に「電話しか窓口が無い企業」が何割いるかで決まる

フォーム営業とテレアポの使い分けは、狙う業種から決めます。ここで見るのは、フォームという窓口を持たない相手を電話で拾えるのかどうかです。

業種を決めずに全体を見ると、フォームを持つ企業はおよそ6割でした(スマートカイタクが窓口を調べた約89万社・2026年10月時点)。この1つの数字で割り振りを決めると、業種によって答えが逆になります。

スマートカイタクが業種を判定できた約59万社・18業種を数えた集計(2026年10月時点)を見ます。この約59万社で、電話しか窓口が無い企業の割合が最も多いのは公共・行政の38.4%、最も少ないのは広告・マーケティングの5.9%でした。

同じ指標で6倍以上の開きです。ただし18業種は母数の大きさがそろっておらず、電話のみが最も多い公共・行政は18業種で最も母数が小さい区分なので、両端を引くときは母数の差も見てください。

次の表は、業種ごとのフォーム保有率と、電話しか窓口が無い企業の割合です。

業種(スマートカイタク調べ・約59万社/2026年10月時点) フォームあり 電話のみ
不動産78.7%9.3%
建設・土木77.0%10.8%
広告・マーケティング73.6%5.9%
製造業73.2%10.2%
卸売・商社71.6%11.8%
物流・運輸69.8%15.7%
教育・研修68.8%11.5%
小売・EC68.4%13.5%
農林水産68.2%13.8%
専門サービス68.2%12.9%
エネルギー・環境68.1%16.7%
メディア・エンターテインメント66.8%6.9%
IT・ソフトウェア65.9%7.3%
宿泊・観光・レジャー65.8%16.6%
金融・保険57.9%19.5%
飲食・食品54.3%23.9%
医療・ヘルスケア53.8%31.1%
公共・行政40.3%38.4%

この表で読むのは、フォーム保有率の高さではありません。「フォームが少ない」の意味が、業種で正反対になります。

  • 医療・ヘルスケア … フォーム53.8%に対して電話のみが31.1%。フォームを持たない企業の多くは電話番号を出しているので、その分はテレアポで当てられる
  • IT・ソフトウェア … フォーム65.9%で、電話のみは7.3%・窓口が見つからない企業が12.1%。フォームを持たない企業に当てる窓口がほぼ無い
  • 広告・マーケティング … フォーム73.6%と高いが、電話のみは5.9%。フォームを持たない企業を電話で拾い直す余地は小さい

「電話のみ」は、窓口がフォーム以外に電話番号しかなかった企業の割合です。送ったあとに返信があったかどうかとは関係がなく、フォームを送って返信が無かった企業に電話をかけ直す話とは別になります。

順番は「電話のみが何%か」だけでは決まりません。この表はフォームがあるかではなく、フォームという窓口が無かった企業の窓口が何だったかまで分けているので、「フォームあり」と「電話のみ」の2つを並べて形を見ます。

形は3つです。

  • ① 電話のみがフォームありを上回る … 電話が主戦場になりうる
  • ② フォームが高く、電話のみも1割半ある … フォームのあとに電話で足せる
  • ③ フォームが高いが、電話のみが1割未満 … 電話に出口が無い

①は実在します。医療・ヘルスケアを中分類まで割った病院・クリニックは、フォーム34.3%・電話のみ53.3%でした(スマートカイタク調べ・2026年10月時点)。

この区分でフォームから始めると、半数以上の相手に最初から当たっていません。届く相手が多いのは、電話を先に回すほうです。

フォームのほうが多い区分でも、電話は後回しにできません。保育・児童福祉はフォーム47.1%・電話のみ35.8%で、フォームを送り切っただけでは3社に1社以上が手つかずで残ります。

②と③は、同じ「1割から2割」の帯の中でも形が違います。物流・運輸はフォーム69.8%・電話のみ15.7%、エネルギー・環境は68.1%・16.7%で、フォームのあとに電話で足せる側です。

同じ帯でも、飲食・食品はフォーム54.3%・電話のみ23.9%、金融・保険は57.9%・19.5%です。フォームという窓口を持たない企業が4割前後いるので、電話のみの数字だけを見ると、この違いが消えます。

③に当たるのは、電話のみが1割を切る業種です。広告・マーケティング5.9%、メディア・エンターテインメント6.9%、IT・ソフトウェア7.3%で、中分類まで割るとAI・データ分析は3.4%でした。

「電話のみが◯%以上ならテレアポ」という線は引けません。その線を支える出所が無いので、2つの数字を並べて①から③のどれに近いかで見てください。

割り振りの決め方は次の順番です。

  1. 狙う業種を1つに絞る(複数あるなら1つずつ回す)
  2. 表から「フォームあり」と「電話のみ」の2つの数字を引く
  3. 2つを見比べて、①から③のどの形に近いかを決める
  4. 業種は中分類まで割って引き直す。大分類のままだと形が変わることがある
  5. テレアポに時間を割くと決めたら、自分が売る商材に近いカテゴリーの行から、担当接触率と接触後アポ率のどちらが低いかを確かめる

中分類の表は次のとおりです。母数が3,000社以上あった60区分のうち両端だけで、全区分の一覧ではありません。

業種(中分類・スマートカイタク調べ/2026年10月時点) フォームあり 電話のみ
不動産/売買仲介84.0%6.3%
建設・土木/建築工事82.0%8.1%
建設・土木/内装・リフォーム81.4%8.4%
不動産/不動産開発・分譲80.5%8.2%
建設・土木/解体・環境整備79.7%10.5%
IT・ソフトウェア/AI・データ分析66.7%3.4%
物流・運輸/タクシー・バス63.3%20.9%
医療・ヘルスケア/調剤薬局56.8%26.2%
飲食・食品/レストラン・食堂52.6%24.9%
専門サービス/美容・理容51.9%26.8%
医療・ヘルスケア/保育・児童福祉47.1%35.8%
医療・ヘルスケア/病院・クリニック34.3%53.3%

自分の中分類がこの表に無いこともあります。その場合は大分類の行で形を見て、狙う先を20社ほど開いて、フォームがある社数と電話番号だけの社数を自分で数えてください。

大分類の表は業種を判定できた約59万社、中分類は母数が3,000社以上あった60区分で、どちらも別の集計です。業種の分類はスマートカイタクが付与したもので、公的な産業分類ではありません。

別の記事に載っている8月時点の集計とは母数と取得日が違うため、同じ業種でも率は一致しません。

規模では決まらない。むしろ定型の逆だった

「大企業はフォーム、小規模はテレアポ」は、窓口の実在では支持されませんでした。ここから先は規模で決めてよいかの反証で、自分のリストに掛ける数字は上の業種別の表から引きます。

スマートカイタクが従業員数を判定できた約68万社を6区分で数えた集計(2026年10月時点)では、電話しか窓口が無い割合が最も少ないのは、最小の1〜5名の10.4%でした。

6名以上は、どの規模でも14.5〜15.4%でほぼ一定です。301名以上でも15.0%で、小規模より多い結果でした。

6名以上ならおよそ7社に1社、1〜5名はおよそ10社に1社が電話しか窓口を持っていません。規模でこの桁しか動かないので、割り振りはこちらでは決まりません。

1〜5名で電話が少ない分は、電話に寄っているわけではありません。メールのみが9.2%、サイトを開けなかった層が7.6%で、どちらも6区分で最多でした。

小規模は電話に寄っているのではなく、窓口の手がかり自体が薄い。ここを「小さい会社には電話」と読むと、架電の時間が空振りします。

区分の数で幅は変わります。6区分ではフォームありの幅が3.8ポイントで、8区分に取り直すと8.8ポイントです。

8区分で最も低い行は1,001名以上で、フォーム保有率59.1%・電話のみ16.3%でした。規模が大きいほどフォームに寄る、という方向にはなっていません。

設立年でも動きません。設立日が分かる企業を7区分で割った集計では、フォーム保有率の幅は0.7ポイントで、従業員数別とはまた別の集団です。

決め手は規模ではなく業種です。業種別の幅はフォームありが38.4ポイント、電話のみが32.5ポイントで、規模の幅はひと桁小さい値でした。

規模別の母数は従業員数を判定できた企業で、全体の約89万社や業種別の約59万社とは別の集団です。従業員数はスマートカイタクがサイトから判定して付与したもので、公的な統計の区分ではありません。

テレアポが「効率が悪い」と感じるのは、手法ではなく3つの条件

効率の話は、手法の優劣ではなく条件の話です。架電がうまくいかないときに自分で動かせる条件は3つあります。

1つ目は、担当者に届いているかどうかです。

受付で止まっているなら、話す内容を直す前に受付の突破の手順を見直すほうが先になります。

2つ目は、かける時間帯です。ここで引く数字はコールドコールのものではないので、前提ごと読んでください。

ヴァンテージマネジメント株式会社の集計では、レター送付後に決裁者へかけた電話8万件超のうち、つながったのは12時台で42.1%でした。最も低い17時台は11.5%で、集計期間は2025年8月から2026年8月です。

「つながった」の定義も確かめておきます。電話がつながって相手と会話ができたコールを指し、断られたものも含むので、アポが取れた割合ではありません。

つながる割合は9時台から12時台にかけて上がり、13時台以降は下がり続けました。レター送付後の架電の集計なので、自分の架電記録で時間帯ごとのつながり方を数え直してください。

3つ目は、発信に使う番号です。amptalk株式会社が2025年10月に行ったWebアンケートの回答者は、顧客対応を行うビジネスパーソン550名でした。

この550名のうち、登録のない番号に「まったく出ない」と答えた割合は、IP電話(050)で23.4%、携帯電話番号で12.5%。理由の最多は「迷惑/営業電話の可能性が高い印象がある」で52.3%です。

ただし、これは回答者の自己申告で、実測の通話記録ではありません。自社が携帯や固定電話からかけているなら、この条件は当たりません。

050番号で発信しているなら、番号を変えたあとの応答数を自分で数えて確かめてください。

受け手の側を調べた調査も、2026年10月時点で確認した範囲では電話にだけありました。ビジョナル・インキュベーション株式会社が運営する「BizHint」の調査では、営業電話をきっかけに商談を受けた経験が「ある」と答えた人が44.1%、決裁者114名に限ると50.9%でした。

商談を受けてみたくなる理由の最多は、自社や業界の課題・特性を理解した上での架電だったことで61.7%です。2021年の調査で5年前の数字であり、決裁者の母数も114名と小さい点は添えておきます。

ここまでの3つを直しても、どちらの手法でも届かない相手は残ります。窓口が見つからなかった企業は8.4%、窓口が電話番号だけだった企業は12.8%でした(スマートカイタクが窓口を調べた約89万社・2026年10月時点)。

電話が通らない相手をフォームで拾えるかどうかは、フォームのページに何が書かれているかで決まります。

スマートカイタクがフォームのページを無作為に492社分開いて数えた結果(2026年10月時点)、営業お断りの文章があったのは28社・5.7%でした。28社は全文を目で確認していて、「営業時間」などによる取り違えはありません。

営業お断りがあった28社のうち8社、およそ3社に1社は、文面で電話を断っていました。その8社のうち7社は電話だけに言及し、フォームには触れていません。

実際にあった文面が「※営業電話・セールスお断り」です。

窓口を横断して断っている例もありました。「電話やメール、当社のお客様向けフォームを利用した当社への売り込みの一切をお断りしています」という文面です。

断っているのは手法ではなく、営業そのものです。フォームで断られたから電話、電話で断られたからフォームという乗り換えは、同じ企業の同じ意思に当たります。

テレアポの時間単価は、誰に架電させるかで変わる

テレアポの時間単価は、誰にかけさせるかで変わります。

出どころは厚生労働省『令和7年(2025年)賃金構造基本統計調査』の職種別第7表(産業計)です。職種・性・企業規模ごとに、所定内給与額と所定内実労働時間数が同じ行に載っています。

従業員10〜99人の企業の電話応接事務員(男)は、所定内給与額が278.3千円、所定内実労働時間数が168時間でした。割ると1時間あたり約1,700円です。

同じ規模の「その他の営業職業従事者」(男)は、376.0千円を169時間で割って約2,200円になります。同じ企業規模の区分でも、1時間あたりでは約1.3倍の差が付きます。

当てる行(厚生労働省 賃金構造基本統計調査・令和7年・第7表・産業計) 所定内給与額 所定内実労働時間数 2つを割った時間単価(本記事の計算)
男・電話応接事務員・10〜99人278.3千円168時間約1,700円
男・その他の営業職業従事者・10〜99人376.0千円169時間約2,200円

統計表に時間単価という欄はありません。所定内給与額を所定内実労働時間数で割ったこちらの計算です。

この記事で使うのは電話応接事務員の行で、営業職の行はフォーム側の自作の総額を出すときに使う行です。架電を営業担当にやらせるなら、営業職の行を見てください。

自社に当たる行は、性と企業規模でも分かれます。電話応接事務員(男)の企業規模計(10人以上)は312.3千円・156時間、同じ職種の女・10〜99人は251.0千円・160時間で、どの行を当てるかで値段が動きます。

この統計の金額は、調査実施年6月分の所定内給与額です。残業手当などを差し引いた額で、所得税等を控除する前の額なので、賞与も社会保険料の事業主負担も入っていません。

10〜99人は、この統計では「小企業」の区分になります。常用労働者1,000人以上が大企業、100〜999人が中企業という線です。

だから会社が実際に負担している額は、この時間単価より大きくなります。社会保険料の事業主負担を足した金額で見てください。

架電する人を外から足す場合も、席がすぐ埋まるとは限りません。一般社団法人日本コンタクトセンター協会(CCAJ)の『2025年度 コンタクトセンター企業 実態調査』を見ると、人を集めることに苦労している企業が多数でした。

調査の母数は、コールセンター・エージェンシー会員109社のうち回答した68社です。実施期間は2025年6月16日から7月23日で、電話応対の人を集めることに苦労しているのは、非公開を除く67社の82.1%でした。

不足感はオペレーターで72.7%、スーパーバイザーで87.9%です。インバウンド寄りの企業は非公開を除く67社の85.1%で、発信を主戦場にしている受け皿はこの業界の中でも多数派ではありませんでした。

母数は68社なので、業界全体の割合として読める数字ではありません。架電の席を外に作る前提で計画を立てるなら、空き状況を先に確かめてください。

決めるのは2つです。架電を誰の時間で回すかと、1日のうち何時間をそこに当てるか。

その2つが決まったら、当てた時間に時間単価を掛けて、月にいくら使うのかを書き出しましょう。

月額が出たら、その金額を自分が数えたアポ数で割ります。これが1アポあたりの金額で、フォーム側の金額と並べられる単位です。

1時間に何件かけられるかは商材で違います。他社が書いている件数ではなく、自分の架電記録から出してください。

フォーム営業には無く、電話側にだけある2つの条文と電話勧誘販売の適用除外

電話の側には、フォームの側に無い2つの条文があります。特定商取引法の電話勧誘販売の規定で、勧誘に先立つ明示義務と、再勧誘の禁止です。

明示するのは4つです。事業者の名称、勧誘を行う者の氏名、商品や権利・役務の種類、そしてその電話が契約の締結について勧誘をするためのものであること(特定商取引法第16条)。

契約を締結しない意思を示した相手に、重ねて勧誘することは禁じられています(同法第17条)。

ただし、この2つが法人営業にそのまま当たるわけではありません。特定商取引法第26条第1項は前三節の規定を適用しない場合を列挙していて、申込みをした人や購入者が営業のために/営業として締結する契約が、その第1号に当たります。

ここを「法人相手だから対象外」と読むのは誤りです。消費者庁と経済産業省が2024年に出した施行通達は「契約の相手方の属性が事業者や法人である場合を一律に適用除外とするものではない」としており、決まるのは契約の目的と内容です。

同じ通達には、事業者名での契約でも商品や役務が主として個人用・家庭用に使うためのものだった場合は、原則として第2章の規定が適用されると書かれています。実質的に廃業していたり事業実態がほとんどない零細事業者では、適用される可能性が高いとも示されています。

送る前に見る項目は3つです。

  • リストに個人事業主が混ざっているか
  • 商材が主に個人用・家庭用に使われるものか
  • 実質的に廃業している事業者が混ざっているか

どれかに当たるなら、電話の側は特定商取引法第2章の規定が当たりうるものとして扱ってください。最終的な判断は契約の目的と内容で変わるので、迷う場面では専門家に確認しましょう。

当たると判断した場合の告げ方も、通達に書かれています。電話をかけて勧誘する場合は「通常は相手方がその電話に出たら開口一番に告げなければならない」とされており、アンケートを装って本題に入る順序は認められていません。

架電を代行に委託している場合に告げるのは、代行業者ではなく依頼した事業者の名称です(同法第16条)。勧誘を行う者の氏名は、実際に電話で話している人の氏名を指します。

断られた相手の記録も必要です。再勧誘禁止の運用指針では「結構です」も契約を締結しない旨の明示的な意思表示として挙げられ、同じ会社の別の勧誘員がかけ直すことも当然に禁止されると示されています。

この指針は消費者向けの取引を念頭に置いたものです。契約の目的・内容が営業のためのものであれば第2章の規定は適用されませんが、相手が法人や事業者であることだけで一律に適用除外になるわけではありません(2024年の施行通達)。

だからリストに個人事業主が混ざるなら、断られた相手を社内で共有する線は引いておきましょう。

言葉の範囲も確かめておきます。特定商取引法第2条第3項の「電話勧誘販売」は、電話での勧誘を経て郵便等で申込みや契約に至る販売を指すもので、電話をかける行為そのものの定義ではありません。

かける時刻の線引きは、条文だけでは決まりません。常識的な時間帯の目安は電話をかけてよい時刻で押さえ、フォーム側で自分の運用が引っかかるかどうかは6つの層での判定に当てて確かめてください。

自分で回すか、フォーム営業だけ任せるか:分かれる条件

狙う業種が1つで、まず20社ほど開いてフォームがある社数と電話番号だけの社数を自分で数えられる範囲なら、外注の必要はありません。

何件までなら自分でやれるのか、という件数の線には出所がありません。だから数えてみて、1社あたりにかかった時間と残りの件数から判断することになります。

その条件から外れるのは2つの場面です。業種を複数並べて毎月まとまった件数を続ける場合と、電話しか窓口が無い割合が1割を切る業種で、フォーム側を送り切らないと話が始まらない場合。

任せると何が自社から離れるのかを、スマートカイタクの運用で書き出します。送信先リストの作成は代行側が行い、作成費用も条件の指定も全プラン無料です。

絞り込める条件は6つあります。対象顧客、業種、従業員数、設立年、地域、データソース元。

対象顧客はその企業の売り先で絞る欄で、業種だけで絞るリストとの違いがここにあります。業種別の表で引いた業種と、相手企業の売り先を両方指定できる形です。

クレームを出さないための仕組みは7つあり、そのうちリストから外すのは次の4つです。

  • 「営業お断り」と書かれたフォームの検知
  • 一度送信した企業への1ヶ月間の再送信停止
  • 配信停止リンクから受け取り側が止めた企業の、以降のリストからの除外(月額プラン標準)
  • 既存取引先や競合の事前登録

残る3つのうち、配信は日中のみで深夜・早朝に送りません。これはリストから外す仕組みではなく、送る時間帯の制約です。

自分で送るなら、リストから外す4つは自分の運用として持つことになります。送信済みの一覧に最終送信日の列と停止の申し出を記録する列を足して、送信前に突き合わせる形です。

完全自動のツールではありません。配信設定は担当者が行い、送信だけをシステムが実行します。

成果の桁も書いておきます。スマートカイタクの商談設定率は0.1〜0.2%で、これは商談の日程が確定した時点を1件として算出した2026年の自社実績です。

この0.1〜0.2%を、テレアポのアポ率3.78%と並べないでください。分母の1件の重さが違います。

1本の電話をかけるには人の時間が丸ごとかかりますが、1通の送信にかかる人の時間はそれより短いからです。

率で並べると、人の時間の差が消えます。並べられる単位は1商談あたりの金額なので、1商談あたりに直す計算で両方を同じ分母に置いてください。

商談設定率は返信があった数ではないので、他社が公表している返信ベースの反応率とも分子が違います。送る件数を決めるときは、この桁から逆算してください。

フォーム側だけ任せて、電話は自社の人が続けるという分け方もできます。

よくある質問

フォーム営業とテレアポはどちらが効率がいいですか

どちらが効率がいいかは、公表されている率では決まりません。決め方は、狙う業種に電話しか窓口が無い企業が何割いるかと、架電に出せる人の時間単価の2つです。

母数と定義まで公開された実測値があるのはテレアポ側だけで、フォーム営業側には同じ条件の公表値がありません。公表値が無いことは効果が無いことではないので、平均どうしを並べる比較が成立しないという意味です。

テレアポのアポ率の平均は何%ですか

業界平均として使える数字はありません。株式会社aworthzが193,026コールを集計した値は全体アポ率3.78%ですが、同社自身が業界平均ではないと断っています。

自分の数字を置くなら、コール数・担当者に接触できた数・アポになった数の3つを数えてください。担当接触率と接触後アポ率に分けると、どちらが低いかで直す場所が決まります。

大企業にはフォーム、小規模にはテレアポで使い分けるべきですか

規模で使い分ける必要はありません。スマートカイタクが従業員数を判定できた約68万社の集計(2026年10月時点)では、電話しか窓口が無い割合が最も少ないのは最小の1〜5名でした。

6名以上はどの規模でも14.5〜15.4%でほぼ一定で、301名以上でも15.0%です。使い分けの軸は規模ではなく業種に置いてください。

法人向けの電話営業なら、特定商取引法は関係ありませんか

一律に対象外にはなりません。電話勧誘販売の適用除外(特定商取引法第26条第1項第1号)は、相手が法人かどうかではなく、契約の目的・内容が営業のためのものかで決まります。

2024年の施行通達も、相手方の属性が事業者や法人である場合を一律に適用除外とするものではないとしています。リストに個人事業主が混ざるなら、電話側は明示義務と再勧誘禁止が当たりうるものとして扱ってください。

テレアポに1時間使うと、いくらかかりますか

誰にかけさせるかで変わります。厚生労働省『令和7年賃金構造基本統計調査』第7表の行から出すと、従業員10〜99人の電話応接事務員(男)で約1,700円、同じ規模の営業職(男)で約2,200円です。

割り算はこちらの計算で、統計表に時間単価の欄はありません。残業手当や賞与、社会保険料の事業主負担は入っていないので、実際の負担はこれより大きくなります。

まとめ:狙う業種を1つ決めて、表から2つの数字を引く

割り振りは、手法の優劣では決まりませんでした。狙う業種を1つ選んで、フォームを持っている割合と、電話しか窓口が無い割合の2つを引くところから始まります。

自分で回すと決めたら、最初の作業は2つです。

業種別の表から自分の業種に近い行を引いて、2つの数字がどの形に当たるかを書き出します。架電を誰の時間で回すかを決めて、その職種の行から時間単価を出してください。

送り先のリストを自作・購入・代行のどれで用意するかは、3つの決め方に当てて選びましょう。

任せると決めたら、見積もりが返ってくる形で条件を渡します。伝えるのは次の6項目です。

  • 対象顧客(相手企業の売り先)
  • 業種
  • 従業員数
  • 設立年
  • 地域
  • データソース元

送信を避けたい既存取引先や競合は、問い合わせフォームの「送信を避けたい企業」欄に社名またはURLを改行区切りで書いて渡してください。リスト作成の段階で除外され、契約後にも追加で登録できます。

条件の入力はスマートカイタクの問い合わせから送れます。どちらを選んでも、引いた2つの数字と時間単価は手元に残るので、まずは業種を1つ決めるところから始めましょう。